AIが放射線科診断医のお仕事のどの部分を肩代わりをしてくれるのか?
はたまた、放射線科診断医は絶滅危惧種になるのか?
その議論のために、今回は放射線科診断医が
画像診断をするときにどのような思考過程を経ているか、
おおざっぱな分析をしてみます♪
放射線科診断の仕事の第一段階は、
実におおざっぱに言うと、「間違い探し」のお仕事。
身体のある部分の写真をみて。
「正常ならば、このような状態」と、考えられるのものに対して、
「ここは、正常から外れている。異常だ」と思われる部分を、見つけ出す。
これが、第一段階のお仕事。
異常と思われるものが、見つからなかった場合。
「大きな異常はありませんでした」というレポートで お仕事がひとつ、終了。
では、何か異常と思われるものが見つかった場合。
第二段階のお仕事は
「どんな異常であるか?」を考え、診断すること。
まず、異常の種類を分類します。
炎症なのか。腫瘍(できもの)なのか。はたまた、生まれつきのものか?
などなど。
次に、どんな病気が考えられるのか?
その病気の典型例、ちょっと珍しい形など、
いろいろなものに、頭の中や、本の例と照らし合わせて、考えていきます。
そして、第一段階、第二段階と並行しながら、
第三段階である、「病気の拡がり」も見ていきます。
病気によっては、拡がり方に特徴があるので、
そこから、病気の種類が絞られていくこともあるからです。
そして、これらをあわせて、病名をつけていきます。
と、言いたいところですが。。。。
実は、これだけではありません。
とても、とても重要な要素があって。
それは、「受けている人が、困っていること(主訴:しゅそ)が何か?」
ということなんです。
もしくは、「受けている人が、例えば血液検査で異常が分かった部位はなにか?」
ということ。
つまり、いくら画像で、ちょっとおかしいな?と思うものがあっても。
本人さんが困っていなかったり。
ほかの検査では、まったく証明されなかったり。
こんなことがあると、画像の撮り方がおかしい!ってことや。
大した問題ではない!ということもありうるのです。
だから。
臨床情報と呼ばれる、患者さんのほかの状態の情報も。
画像診断には、とても重要な要素です。
これらの要素を組み合わせて、
「~~~~の画像所見から、〇〇、××、などの病気が考えられます」
というレポートの出来上がり。
もちろん、「ズバリ!これでしょう!!」というレポートの時もありますよ(笑)
さて。
これらの要素を、AIくんはやってくれることに、なるのでしょうか?